トップアスリート×スポーツランドみやざき Vol.11

-ラグビー日本代表 × 高校生-

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宮崎市を合宿などで訪れたトップアスリートに宮崎市スポーツランド推進課職員がインタビューを行う「トップアスリート×スポーツランドみやざき」第11回目。

今回は、2021年9月29日~10月16日に本市で合宿中のラグビー男子15人制日本代表の3選手へ、宮崎県立宮崎北高校ラグビー部員がオンラインでインタビューを行った模様をお伝えします。(2021年9月30日 オンライン交流会)

トップアスリート×スポーツランドみやざき

プロフィール

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リーチ マイケル Michael LEITCH 
生年月日:1988年10月7日(33歳) 
出身地:ニュージーランド(札幌山の手高校→東海大学)
所属:東芝ブレイブルーパス東京
ポジション:フランカー(FL)
身長:189cm
体重:113キログラム
日本代表キャップ:70(2021年10月現在)

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坂手 淳史 Atsushi SAKATE 
生年月日:1993年6月21日(28歳) 
出身地:京都府(京都成章高校→帝京大学)
所属:埼玉パナソニックワイルドナイツ
ポジション:フッカー(HO)
身長:180cm
体重:104キログラム
日本代表キャップ:24(2021年10月現在)

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ヴァル アサエリ愛 Asaeli Ai VALU 
生年月日:1989年5月7日(32歳) 
出身地:トンガ(正智深谷高校→埼玉工業大学)
所属:埼玉パナソニックワイルドナイツ
ポジション:プロップ(PR)
身長:187cm
体重:116キログラム
日本代表キャップ:17(2021年10月現在)

■「チーム全員がゲームプランをしっかりと理解して臨む」

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※質問は全て宮崎北高校ラグビー部員

 

―リーチ選手は、日本代表のキャプテンでワールドカップに出場されていましたが、キャプテンとして心がけていたことやチームのことで気にかけていたことは何ですか?
リーチ:2つあります。まずは、チームのみんながゲームプランやディフェンスプランをしっかり理解しているかということ。そして2つ目は、チームが試合までにある程度リラックスした状態であるかということを意識していました。

 

―坂手選手が、試合中にラインアウトやスクラムで心がけていることを教えてください。
坂手:チーム全員がサインプレーを理解した上でプレーしているかを意識しています。
ラインアウトは、アタックをどこで取るかや人数など様々なことがありますので、ボールがタッチに出てラインアウトまでの短い間にコミュニケーションをしっかり取った上でプレーしています。
また、(8人同士が押し合う)スクラムは、相手チームがいることなので、どういった組み方がいいのかを特にフロントロー(スクラム最前の左右プロップ(PR)、フッカー(HO))の3人でよく話して、ゲーム中やハーフタイム中にスクラム後方の5人に伝えています。

 

―坂手選手が、試合中に自分のポジション以外で意識していることはありますか?
坂手:僕たちフォワードは、ラック(ボール争奪の密集戦)から近い場所でのディフェンスが多いのですが、その時、自分の両サイドの選手としっかりコミュニケーションを取ることを意識しています。その3人でコミュニケーションを取れば、それがどんどん続いていって、1枚のディフェンスのコミュニケーションになると思います。

 

―僕は、試合に集中しすぎると周りが見えなくなってしまいます。視野を広げるにはどうすればいいでしょうか?
リーチ:試合中は、ボールばかりを見てしまいがちなので、たまに意識して前を見たり、後ろのスペースを見たり、敢えてボールでないところを見ると視野が広がるのではないでしょうか。
 

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―W杯などの大舞台では、緊張や不安などのプレッシャーを感じたのではないかと思いますが、どのように気持ちを落ち着かせるのですか?

リーチ:僕の場合は、ゲームプランや相手チームのことを事前に十分理解していない状態だと緊張してしまいます。そのため、事前準備をしっかりして試合に臨むことが大事だと思います。
(※ここで、ヴァル選手が遅れて合流)今、遅刻したヴァル選手が着きました。後で、坊主にしときますね。
ヴァル:すでに坊主です(笑)

 

―ヴァル選手が、普段の生活において意識していることを教えてください。
ヴァル:ファミリータイムですね(笑)。家族を手伝ったり、家族とリラックスする時間を大切にしたりしています。

 

―試合でミスをした後、どのように立ち直っていますか?
ヴァル:ミスは誰でもしますから、次の試合までにミスをしたプレーの練習を増やすなど、同じミスを繰り返さないようにしています。
リーチ:遅刻のミスはどうしたらいいんですか?
ヴァル:スミマセン・・・(笑)

 

―自分よりずっと大きな選手と当たるとき、心がけていることはありますか?
ヴァル:強い気持ちでいくしかないです!
 

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―私は将来、通訳としてラグビーに携わりたいと思い、高校卒業後は、元ラグビー日本代表通訳の佐藤秀典先生が在籍されている専門学校に進学予定です。その専門学校では、スポーツと言語コミュニケーションの重要性や世界のスポーツやラグビーを学び、自分自身の知識と経験を深め、選手一人ひとりをサポートできる人材になれるよう成長したいと考えています。
そこで質問ですが、日本代表のみならず日本のラグビー界で活躍される選手の中には、外国人選手が多く在籍されていますが、来日するにあたり、ラグビー以外の面でも多くの不安があったと思います。そのような選手を支え、よりラグビーに集中できる環境を生み出すためには、どのような人材がスタッフとして必要なのか、選手という立場からのご意見をお聞かせください。

リーチ:僕とヴァル選手は、高校入学と同時に来日してから大学、社会人と進み、日本でラグビーを経験しています。社会人チームまでは通訳はいなく、社会人チームになってから通訳がついたのですが、通訳がついてからあまり日本語が上達しなくなったと感じました。回答になっていませんが(笑)
僕は、チームメートに頼ることが多かったです。チームメートとコミュニケーションを取ることが自分にとって大きかったです。ヴァル選手はどうですか?

ヴァル:チームメートは大きいですね。

坂手:僕は大学時代に、同級生で全く日本語を話せないニュージーランドからの留学生がいました。選手自体のキャラクターなども関係すると思いますが、全てに通訳として入るのではなく、日本人選手と外国人選手がどうコミュニケーションを取れるかを考えてくれると良いと思います。
僕がいた帝京大学では、メディカルスタッフ3人が英語を話せたので、その3人が通訳を兼ねていました。全て通訳を介するのではなく、日本人選手と外国人選手だけの時間を設定するなど、選手同士の架け橋になってくれました。

リーチ:日本には外国のトップコーチが来て、多くの技術を指導してくれますが、そこでラグビーのことを理解しないまま通訳すると違ったメッセージで伝わってしまうことがあります。また、通訳に時間を費やすと練習が長くなってしまいます。
(進学予定の専門学校にいる)ヒデさん(佐藤先生)はとても素晴らしい通訳だったので、多くを学んでください。

坂手:やはり通訳の方はラグビーを理解していた方がいいです。サインプレーなどでラグビー用語を多く使うので、どのスポーツにおいてもそのスポーツを理解していたほうが伝わりやすいです。ラグビー日本代表では、外国人コーチから日本人に伝える方が多く、英語から日本語への同時通訳でメチャクチャ早く伝えていただいているので僕らは助かっています。 

 

■「宮崎に来ると、日本代表は必ず強くなって帰る」

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―選手の皆さんにとっては苦しい印象が多いかもしれませんが、宮崎の印象を教えてください。

ヴァル:宮崎と言えば、キツい練習をするので、心と体をしっかり準備しなければならないという思いです(笑)
坂手:ご飯が美味しいです。宮崎での練習はキツいですが、練習の合間のご飯が唯一の楽しみです。
リーチ:僕は、これまで宮崎に合宿で12回来ています。宮崎に来ると、日本代表は必ず強くなって帰ります。素晴らしい合宿環境で練習ができるのは、すごく有り難いです。
また、ご飯は美味しいし、グラウンドの質も良いですし、海も近いですし。今回は、残念ながら新型コロナで選手たちを生で見ることができませんが、新型コロナが落ち着いた後に、皆さんとふれ合うことを楽しみにしています。

 

―宮崎で気に入っている観光地はありますか?

リーチ:しんどすぎて、あまり外に行けてない(笑)
坂手:僕は、所属チームであるパナソニックでも宮崎に来ていますが、その時に行った青島がきれいで良かったです。
リーチ:(日向市大御神社の)さざれ石も良かったです。あと、海沿いにあるハンバーガー屋さんが結構好きです。店の名前なんだったっけな(笑)
坂手:あそこは美味しいっすよね!

 

―先ほど宮崎のご飯が美味しいと言っていただきましたが、地鶏(炭火焼)とチキン南蛮はどちらが好きですか?

リーチ:地鶏!
坂手:地鶏が好きです。チキン南蛮もお店によって違うと聞いていて、コロナ禍の前は食べに行っていました。
リーチ:あと、宮崎牛も美味しいです。
坂手:以前、バーベキューをしましたが、海鮮も美味しいです。

 

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―最後に、2023年のワールドカップフランス大会の目標をお聞かせください。

リーチ:2019年のワールドカップ日本大会はベスト8まで進出して、ある程度、自分たちの可能性を広げることができましたし、世界一のチーム(南アフリカ代表)と試合して手応えも感じました。
次の2023年大会は、決勝まで行きたいと思います。

 

―10月23日にある大分でのオーストラリア代表(世界ランキング3位)戦、頑張ってください!

3選手:ありがとうございます!

 

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〔リーチ選手、坂手選手、ヴァル選手から宮崎へのメッセージ〕

 

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